遺産分割協議書の書き方 | 遺産分割・相続放棄 相談窓口(東京都立川市)

はじめに

遺産分割協議書を書くときの注意点とは何でしょうか。

法律上の要件と、実務上の書き方に分けて説明します。

法律上の要件 |  実務上の書き方

法律上の要件

相続人全員が参加すること

遺産分割協議が有効に成立するためには、分割協議時点で判明している相続人全員が参加している必要があります。

未成年者や行方不明者が含まれている場合は、その者のために不在者財産管理人や特別代理人を選任してもらい、その代理人に協議に参加してもらいます。未成年であったり、行方不明であったりしても除外することは出来ません。

また、遺言で包括的に遺贈する旨(某に遺産の一割を遺贈する)が示されていた場合は、その包括受遺者も含めて遺産分割協議をする必要があります。

協議は整わないときは、家庭裁判所の調停・審判分割をすることとなります。

期間

相続人はいつでも遺産分割協議をすることが出来ます。

ただし、被相続人は遺言等で分割協議を五年間までは禁止する旨を定めることが出来ます。

  • 相続の承認・放棄
    相続の放棄・承認は相続の開始を知ってから3ヶ月以内なので注意が必要です。
  • 相続税の納付期限
    相続開始後10ヶ月が相続税の納付期限なので通常この時までに分割協議を済ませることになります。

書式

法律上、分割協議はとくに決まった書式でやる必要はありません。

口頭で分割協議をすることも可能です。

ただし、現実的には後々の紛争を回避するためにも証拠となる書面を作成する必要があり、相続登記を申請するときなどには、その遺産分割協議は本当に行われたことを確かめるために一定の様式が求められています。これが下記の実務上の書き方です。

関連条文

第906条(遺産の分割の基準)
遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

第907条(遺産の分割の協議又は審判等)
1. 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。
2. 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。
3. 前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。

第908条(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)
被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。

第909条(遺産の分割の効力)
遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

第910条(相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権)
相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。

第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)
1. 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
2. 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

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実務上の書き方

被相続人の氏名と最後の住所と相続開始の旨

文頭に被相続人を特定する事項を記載するのが一般的です。住所・氏名・生年月日等で故人を特定します。

続けて相続が開始した旨とその年月日をしっかり書きましょう。

取得する財産

誰がなにを相続したのかをはっきりさせることが必要です。

不動産の表記は、登記簿の記載に合わせると、登記申請をスムーズに行えます。預貯金は銀行名や口座番号、残高をしっかりと記載しましょう。

なお、遺産分割に漏れた財産があった場合の対処を定めておくとトラブルを回避できます。

祭祀をするもの

先祖のお墓を管理したりお寺とのつき合いを承継する者を定めるのが一般的です。

相続人の署名押印

相続人の全員の署名と実印による押印が必要となります。

氏名については記名方式でも登記上は問題ありませんが、後のトラブルを防止する意味でも相続人自らが署名するべきです。

実印の印影が一部欠けたり、薄かったり、滲んでいる場合には登記申請が通らない場合がありますので注意が必要です。その場合には、その近くに、どの相続人の実印の印影かわかるようにして再度押印すると良いでしょう。

契印(割印)

文書が複数枚にわたるときに、一体性を証明するために2枚にわたって押印することを契印といいます。遺産分割協議書が複数枚になったときにもこの契印をすることが実務上求められています。ホチキスなどで止めて、見開いたページに各相続人の実印を押印してください。

なお、言葉の意味としては正確ではなりませんが、割印と表現されることも多いです。

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